落語

立川吉幸「家見舞い」

おーい、こっち来なよなんだいなんだいじゃねえよ。え?聞いたかよ、兄いのとこだよ。今度新しく家を建てたらしいんだよおお。そんなこと聞いたよ。みんな寄ってたかって兄いのとこに家見舞いだかって祝いのもの持ってっちまったってんだよ。残ったのは俺とお前の二人だけだってさ。そりゃまずい。まずいよ、兄いには普段から世話になってんだから、こういう時にな、祝いのものをドンと持って行かなくちゃいけないと思ってさ。これからお前と二人で、なんか祝おうじゃねえか。そりゃあね、祝うのは良いけどね、こっちはぼて振りなんだからさ、兄いがもう買っちゃったとか、だれか持ってっちゃったとかなんてもの、祝うって言うのは物が二重になっちゃって物が無駄になりゃしないかな。そこなんだよ。だからね、さっき兄いのとこ寄ってみたんだ。したらまだ、水瓶を買ってねえってんだ。これからお前と二人でさ、水瓶買って持ってこうじゃねえか。おお。ちょうどいいや。あそこに瀬戸物屋があらぁ。あそこで見繕って買っちまおうじゃねえか。ちょいとー、ごめんよ。はい、いらっしゃいまし。何をお求めでございますかなうん、ちょいとね、水瓶見せてもらいたいんだよな。ああ、水瓶でございますな。え?あぁ、あなたの兄貴分って方が今度新しく家をお建てになって。それはどうもおめでとう存じます。それでお祝いでもって水瓶。あなたがた、いいところに目を付けましたな。たいがいこの祝いのものってね、座敷のものを持って行くんですが、それだとね物が二重になって無駄になったりなんかいたしますよ。そこを台所のものに目をつけたなんてあなたがた大したもんですな。どうです?あなたがたのその目の前にある、ものは備前焼でもってね、焼はしっかりしてますしな。これ持ってってごらんなさいや。あなたがたの兄貴分って方もう大喜びしますから。はぁ~なるほど。備前焼だってさ。ていしたもんじゃねえかな。おいあんた、この瓶これいくら?えーそちらでしたら18円で結構でございますよ。はぁ、18円ね。物もいいけど値段もいいな。やー親方、おれたちそのね、じゅーっていう音がしねえほうがいいんだよな。あぁ、そうですか。もう少々お安いほうが。それだったらいくらでもございますよ。どうです?このお隣にある、ものは一回り小さい一回入りですがね、それはもうどこに出したって、恥ずかしいって代物じゃありませんよ。つづきは動画で。立川吉幸動画一覧はこちらから

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