落語

立川らく人「権助魚」

ゴンスケや、ゴンスケ。うい~何でございやしょう女将さん。ちょいと、こっちいらっしゃい。お前に聞きたいことがあるんだよぉ。ありま~オラに聞きたいことでごぜーやすか。あんでごぜーやす?最近うちの旦那、変だと思わないかい?旦那さまですか?いや、そんな事は思いませんが。そうかい?ええ、もともと変でごぜぇやす。いや、そんな事じゃないんだよ。私の勘だけどね、わきにかこってるんじゃないかと思ってね。妾を。あれま。うちの旦那様が、それなら心配いらねーだ。うちの旦那様ぐらい物固い人もいねーだ。お前にはわからないんですよ、女の勘なんだからね。別に私だってやきもちで言ってるわけじゃないんだよ。お客様のお見えになってどこに行ったかわからあじゃあ女房失格ですからね。なでか、お前だって思いつく事あるだろう?いや、オラが思いついたって、すぐ逸れちまうだ。それが何よりの証拠じゃない。だけど、いっぺんくらいは。いや、オラ本当に知らねーだ。この正直もので通っているゴンスケが知らねって言ったら知らねだ。まあ、お前がそこまで言うんだったら、知らないのかもしれないけどね、話は変わるんだけどお前の好きなもの好きな食べ物とかはないかい?オラね、今川焼きが好きでね。全く女みたいなものを好きなんだね、まったく。それじゃあ、お前にこれをあげようじゃないか。この1円を。ありまぁ、盆でも正月でもないのにオラにこうだらものくれるだか。これをあげたからと言うんじゃないんだけどね、一体どこなんだい?なんでごぜえやす。どこなんだい?どこったら、確か道へ出て突き当たり右に曲がって3件目でごぜぇやす。まあ、そんなに近くかい。目と鼻の先じゃないか、悔しいね。で、一体いくつなんだい?なんでごぜぇやす。いくつなんだい?いくつったら確か3つで5銭だんべ?なんだい?今川焼きだんべ?今川焼きじゃないよ。妾のうち妾のうちは知らねぇ。知らなねぇから1円返す。返す事はないんだよ。それならお願いがあるんだけど、旦那帰ってきたら、またお出かけになるから、その時お前を共に付けるから、いいかい?今日は逸れないで妾のうちを見つけてきておくれ。大丈夫でごぜぇやす、ゴンスケ女将さんの味方だからねぇ、無心論者とゴンスケ神に誓って見つけてきますだ。つづきは、動画で。立川らく人動画一覧はこちらから

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立川らく人「時そば」

そば~う~おい、蕎麦屋さん。何が出来んだい。花巻にしっぽく、しっぽくそれじゃあ、熱くしとくれ。それにしても寒いな。へい、お寒うございまなあ。おら、ちょいと風邪ひいちまってよ。熱いのなぐりこんで寝ちまえば治ると思ってよ、熱くしてくれよ。蕎麦屋さん景気はどうだい?いやー不景気で困りますな。そうかい、そいつは良かった。何が宜しいんで?昔から言うじゃねえか。良い後は悪い、悪い後は良いってんだい。商いってんだい飽きずにやなくちゃいけねぇよ。これは、上手いこと仰いますな。そうじゃねぇがと思うんだい。お、お前んとかあんどんが変わってるね。的に矢が当たってるじゃねぇか。ええ、うちは当たり矢と申しますんで。当たり矢かい?よっ、わきで持ってよ、がらぽんがらぽん、博打やってんだい。当たり矢なんて嬉しいじゃねえかな。このあんどん見たら一杯食うようにするからな。へい、ご贔屓に。贔屓なんて程の事は出来ねえけどよ。へい、お待ちどう様で。おい、待て。もう出来たのかい?ひょういと喋くってる間、へいお待ちどう様、こちとら江戸っ子だよ?気が短けえんだよ、あつらえた物がなかなか出来ねぇ催促してやっと来るなんてのはよ、うめえもんでも不味く感じちまうんだからな。お前んとこ、割り箸使ってんの?へえ、この界隈蕎麦屋さん沢山あるよ?たいがい使ってるのは丸箸。箸が割れてんだい。あんなのは誰が使ったのかわからねぇ。割り箸なんて綺麗ごとで良いやなぁ。また、器が良いねぇ。物は器で食わせるっていうのは、全くだよ。少々中身が不味くたってよ、器が良いってーと上手く感じちまうんだからな。ふーふーずー良いつゆ加減じゃねぇか。かつおぶしおごったな全く。これね、麵が細いのが値打ちなんだい。時々あるんだよ、うどんじゃねぇかって言う太いそばがよぉ。ふーふーずーこしがあって上手い蕎麦じゃねえか。ふーふーずーお前んとこの竹輪、こんな厚くて、でぇじょうぶか?たまにあるんだよ紙みてぇに薄いのが。あんなの寒々しくていけねぇや。また腑を使ってんだい、竹輪ぶ。あんなの病人の食いもんでいけねぇや。そこんところくってぇと、お前んとこは・・・本物の竹輪だ。これは二八そばにしちゃ、出来すぎだな、全く。ふーふーずずーー蕎麦屋さん上手かったい。もう一杯といきたい所なんだけどよ、脇で不味いの食ってお前さんとこ口直しだい、一杯で簡便しな。何杯でも結構でございます。蕎麦屋さん、一体いくらだい?つづきは、動画で。立川らく人動画一覧はこちらから

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鈴々舎八ゑ馬「~結婚の挨拶編~」

師匠師匠、相談があって来ました。またか、お前の相談あんまり、良い話じゃないねんけど、何やねん。僕ね、今度彼女のお父さんに結婚の挨拶行こかなって思うんですけども、これどう言う挨拶したら良いんかなって思って師匠に相談に来たんです。そら丁度良かった。いやいや実はな、この間、うちの娘。彼氏がうちに挨拶に来よったんや。そら、しっかりした挨拶やったぞ、お前。そのままやったら上手く行くわ。お願いします、教えて下さい。せやな、まずな向こうの人が来てやな、うちに来て早々。初めまして、お父さん。私、ユミさんとお付き合いさせて頂いてる者です。って、こう言いながらな、手土産渡してくれな。こちら手土産のお酒です。つまらない物ですが、飲み屋で引っ掛けてみたら意外と良かったので宜しければお召し上がりください。言うてからや。お父さんは落語家だそうですね、私ここで思い切って謎賭けをさせて頂きます。これがまたな、盛り上がって面白かったんや。で、ばかなもんで来た後、家も褒めてくれたんや。いや、こちら何ですか、立派なお住まいですね。一辺中に入ると外に出たくなくなってしまいますね。言いながら、こう料理をカツ丼を出してあげてんや、ほなまたこれも、よろこんどったで。え!カツ丼を頂けるんですか?って言った後、隣のお味噌汁のお揚げ。揚げまで褒めてくれたんや。うわ、この揚げも違いますね。段々嬉しくなって来た頃にお父さん、娘さんと結婚させて下さい。ときたんやな。ワシもちょっと断ってみたんや。そら説得してくれた。お父さん、娘さんは確かに良い娘さんですが、いつまで箱の中に入れて置くつもりでしょうか?いつまで手元に繋ぎ止めて置くおつもりですか?私は一生娘さんを愛し続けます。お願いします、結婚させて下さい。と来たから、それなら頼んだぞと。こう、なったんやがな。うわーよろしいな、それも私もやってみますわ。お前いらんこと言うさかい、この通りやってみろ。わかったな。わかりました。やってみます。この男、この挨拶をしっかり頭に入れましてね、結婚挨拶の当日を迎える事になったんですけども、何と、その間にね彼女のお父様が、ちょっと捕まってしまいましてね、酔っ払って裸で表を歩き回ったて言う罪で、拘置所に入ってしまいまして、この結婚の挨拶はそこの面会室で行われる事になりまして。おい、18番、面会人だ。はい。なんだ、君か。どうも。これ、こういう所で使うんですね。うるさいわ。何しに来た。つづきは動画で。鈴々舎八ゑ馬動画一覧はこちらから

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三遊亭わん丈「井戸の茶碗」

インターネットを通じて要らなくなったものをどこかに出して、出品して、それを個人間でやり取りすると、これ大変にリサイクルだと思うんですね。捨てたいわけでございますから。どんどんどんどん形を変えて今の形になったと思うんですね。これ江戸と言われている時代からもちろんありまして、くず屋さんと言いますね。要らなくなったものを引き取ってお金に換えてくれる。今よりもっともっと物というものが豊かではなかった時代でございますから、こんなに重宝された商売というのは無かったそうでございます。ただ、身分としては大変に低い。町中などを歩くのも、もちろん真ん中などを歩くことはできない。溝ん中這って歩くような、そんな身分なんでございます。世の中の役に立つ商売がなんとなく身分が低いというのも、こら妙なものでございますが。このくず屋仲間でもって正直清兵と言われた男がおりまして、根城にしておりましたところが、しば・白羽近辺。ただ今の東京タワー辺り。あのあたりをいつものようにくずーくずお払いー流して参ります。清河寺だなという貧乏長屋へ入って参りますと、長屋の路地の奥の方から、あの、くず屋さん。と、辺りをはばかる声。へい。と返事をしまして声の主を見ますと、年の頃17、8でしょうか。色が白くて、それは楚々としたなんとも美しい娘。こんな汚い長屋にこんな綺麗な娘さんが何でいるんだろう。着ているものに目を移しますと、継ぎ接ぎだらけ。余計にお顔の美しさが引き立つというやつです。この娘の案内に連られまして長屋の路地の奥の方へと入って参ります。お父上。くず屋さんをお連れをいたしました。おお。そうか。いやーすみませぬな。そこにいくらかくずが溜まっており、いくらでも良い、放ってもらいたい。ありがとう存じます。今目方を量らして頂きましたが、7文がちょっと勝って参りました。こちら初めてのお取引でございます。8文でとらせていただきます。おお。8文で買うてくれるか。かたじけない。それとなくず屋さん。これを、幾らでも良い。放てはもらえぬかの。旦那様これは、仏様でございますな。いやー私はこういう骨董というものに目が利かないんでございますよ。ですから、この仏様、どうぞ他のくず屋の方へ。いや、くず屋さん。その方、この仏像の出所を胡乱(うろん)に思っているのではないか。いえ、とんでもございません。この仏様がうどんでできているなんてことは思いません。いや、そうではない。怪しげな出所のものと心得ているのではないか。決して左様なものではない。拙者故あって藩の名を明かすことはできんがの、千代田ぼくさいと申す。見ての通りの老々の身だ。昼間は素読の思念をし、夜は売ト(ばいぼく)をしてその暮らしを立てておるがの、この2、3日雨にたたられての。頼みの綱のばいぼくへ出ることができん。味噌、醤油の類は手習いの子の親達が持ってきてくれるで、事欠くことはないがの、この娘に食膳にたとえ一品でも添えてさしあげられればよろしゅうございますにと、涙ながらに言われると、親として切ない。そこでこの仏像を手放す気になった。どうだ。幾らでもよい。買うてはもらえぬかの。弱っちゃったな。いえねえ旦那様、あっしはね、この仏様に幾らかと値を付けることもできねえんでございますよ。そらお預かりしてもよろしゅうございますよ。ですが、他のくず屋の方が、もっと高い値でお引き取りするかもしれません。そうしますと、旦那様に損をいたしますのでな。ですからこの仏様は、どうぞ、他のくず屋の方へ。いや。そこをなんとか。んー弱っちゃったな。頭下げられちゃって、頭上げてくださいよ。あ、じゃあこうしましょう。私ね、こちらにね8文出させて頂きますね、これは先ほどのくずのお代でございます。それとこちらの方に、50文。50文で買うてくれるか。いえ、そうじゃございません。私ね、ちょくちょくこちらにくずを頂きに伺います。でね、頂きましたくず50文になりましたら、50文でございます。声をかけさせていただきますんで、それまでの前金、手金でもってどうぞお納めください。ですから、もうこの仏様はお仕舞くださいましな。いや、それは困る。それではみどもがその方に施しを受けているようだ。そうか、すまぬ。手間をとらせたの。そんな。もうだから、頭下げないでくださいって。あ、じゃあもうこうしましょう。あのね、あたしね、もうこの仏様100文でお預かりさせていただきます。それでね、たとえ脇で10文でも高く売れましたら、その儲けの方は半分ずつってことでいかがでございますかな。いや、そりゃその方の商いの器量。いくら儲けても差し支えがない。そうか、100文で買うてくれるか。助かる。ええまあまあ、とにかくそういうお約束でお預かりさせていただきますんで。へい。ありがとう存じました。と、この清兵さん。担いでいる籠の中に天秤ばかりとこの仏像を同郷させまして、くずーいくず屋お払い。流してまいりましたのは細川藩の江戸屋敷のちょうど窓下。りょうすけ!今帰った。いやあ、江戸御金板を預かって早10日。重役方へのご挨拶も済んだ。これでお役に精が出せるというもんだ。しかしなんだのう。いかに男所帯と言いながら、この小屋の殺風景極まりないの。くずーいくず屋お払いりょうすけ。江戸というのは色んな商人が通るの。国表では聞いたことのない売声だ。くずーいくず屋お払い。これ、窓下を通る町人。おお、その方だ。その方は、なにを商っておる。私は見ての通りのくず屋でございますがな。くず屋。くず屋とはなんだ。おお、くずを。買う?その方がか。ほう、そのようなことが商いになるのか。ほお、江戸だのう。その方が担いでいる籠の中に入っているのはなんだ。像か、仏か?手に取ってみたいな、真っ直ぐ前で、御門がある。高木の小屋へ入るといって通れ。黙って通るとぼうしばりにあうぞ。よいな。おお、くず屋か、まあ上がれ。その仏像を見せてもらいたい。おお、これはなかなか。よいお顔をなすっておる。時代もついてる。これは買物か?へ?いや、買物か?仏様です。怪物じゃありません。買物、売り物かと聞いておるのだ。買っていただけるんでございますか?うん、値によっては買わんことはない。そうです、買物です。買物。唾を飛ばすな。幾らで手放す。いやー実はね、これね、清河寺だなの御老人様から今100文でお預かりしたんでございますよ。でね、儲けの方は半分ずつにしようっていうお約束でございますから、これ、100文より高けりゃいくらでもよろしいんでございますよ。はっはっはっはっは。お前は正直なやつだな。そうか、ではどうだ。倍の200では。200!?だって、これ元100ですよ。200ってことは50文儲かった。え、本当によろしいんでございますか。欲の無いやつだな。りょうすけ、この者に200つかわせ。うん、くずというものが溜まったらな、必ずその方にこれから払い下げる。ちょくちょく顔出せ。ご苦労であった。ああ、りょうすけ、珍しいものが手に入ったな。これは時代がつい…カタカタ音がするが。腹籠りか。体内に他の仏が忍ばせてある。珍しいものが手に入った。金盥にな、ぬるま湯と塩を入れて清めよ、新しい手ぬぐいを添えて持って参れ。と、この若侍。この仏像を金盥の中に浸しまして、じっくりと磨きをかけております。台座のかみに湿り気がまいりまして、ゴトンと音を立てて出てきたのが、このくらいの油紙にきっちりと包まれた塊。なんであろうと封を切ってみます。ザラザラっと音を立てて出てきたのが、50両という大金。つづきは、動画で。三遊亭わん丈動画一覧はこちらから

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鈴々舎八ゑ馬「師匠と弟子~取材編~」

師匠、師匠、師匠。ちょっと相談があって来ました。あー。なんやねん。おまえの相談、あんまりええことないけどな。あー、どないしたんや。なんか今、師匠に密着取材が入ってるそうですね。いや、僕もテレビ出たいんでね。その取材に出してもらうわけには、いきませんか?あー。ま、たしかにな。お弟子さんにもインタビューしたい、っていう話がきてんねやけど。おまえ、いらんこと言うやろ。な?いらんことさえ言わんかったら、出してやってもええで。いらないこと言わないんで、出してください。あ、そうか。いやいやいや。あのな、大体な。台本ちゅうのが決まったあるから。その通り言うたら、ええぞ。おまえその通り、いらんこと言うたら、あかんからな。その通り言えよ。まずな。インタビュアーがや。あなたの師匠は、稽古の鬼と呼ばれておりますけども、そんなに稽古されてますか?と、こう聞いてくるから。おまえは、師匠は、やりまくってます。と、こう言うねん。な。師匠はいろんなとこで稽古されてると聞きましたが。はい。新幹線の中で寝たふりをして、やってるのを見たことがございます。こう言うねんな。師匠は色んなことに気づかいながら稽古されてると聞きますけども。どういう点を稽古されて、稽古されてますか?と聞いてくるから。以前はスピードで、今は芸全体を意識されております。年間どれぐらい稽古されてますか?と聞いてくるから、軽く一千は超えてます。と。な、だから、師匠は覚えた落語は、どのように保存されてますか?と聞いてくるから、ノートに書いてあるのを発見しました。と。師匠はドンドン、新しいことにもチャレンジすると、聞いてますけども。ユーチューブに、動画をアップしたりしてます。師匠は稽古を休まないと、聞いておりますが。はい。薬を飲んででも、やり続けます。最後。師匠にとって、落語とはなんでしょうか。大事な文化と、おっしゃってました。と。こう言うねや、わかったな。この通り言えよ、おまえ。これ以外言ったら、破門にするからな。ああ。それは嫌です。破門だけは堪忍してください。ああ。わかった。ほんなら、いらんこと言わんかったら、ええから。わしはちょっと今から、落語会行ってくるからな。おまえちょっと留守番してくれ。もしかしたら取材の人、来るかも知れんから、おまえ応対するねんぞ。わかったか?わかりました。ありがとうございます。いってらっしゃいませ。あぁ。テレビ出られるやん。嬉しいなぁ。ピンポーン。取材に来ました。あぁ。どうぞ、どうぞ。上がってください、上がってください。待ってましたんや。ええ、わたし弟子ですねん。師匠から、だいたい話は聞いてますんでね。どうぞ、どうぞ。取材してください。つづきは動画で。鈴々舎八ゑ馬動画一覧はこちらから

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三遊亭わん丈「國隠し」

かおり。ほんならさ。今度の休みは俺の実家に帰るんでいいかな。なに言ってるのよ。今度の休みぐらい、久しぶりにわたしの実家に帰ろうよ。いや。気持ちはわかんねんけどさ。お前の実家、関東で遠いやろ。なぁ。休みもそんなあらへんねん。行って帰ってくるだけで、時間かかるから。まぁ今回も、おんなじ京都の俺の実家で我慢しといてくれや。はぁ?いやいや。こわいこわいこわい。ちゃうちゃう。考えたらわかる。行って帰ってくるだけで、関東は時間かかる。おんなじ京都くらいの俺の実家で我慢しといてくれって。いや、ここは京都よ。で、あなたの実家どこって?俺の実家はおまえ、京都。どすえ。なに言ってんのよ。今京都の人、そんな言葉使わないわよ。東京人で、ありんすって言う人いないでしょ。いや。ちがう。でも、あの。ほんまに俺、京都の東の方。あのね。わたし何回かあなたに実家連れてってもらって、おかしいなと思って調べたのよ。あれ京都の東じゃなくて、滋賀県の西じゃないのよ。いや。ちゃうねん。でも違うねん。ほんまちょっと歩いたら、京都って、もう県境。県境でも滋賀は滋賀なのよ。あたしね。だんなが滋賀県人だなんてばれたら、近所歩けない。なんでやねん、おまえ。リクにだけは絶対言わないでよ。あの子もしそれ知ったらね。自分は滋賀県人の息子という、重い十字架を背負って生きて、、、おい。俺、犯罪者ちゃうねんぞ。そうや。リク呼ぼう。リク。ちょっとこっち来なさい。なに。おとうさん。うん、座って。あの、リクはさ。おとうさんの実家、と言ってもわからんかな。おじいちゃんとおばあちゃんが住んでる所は、どこか知ってるか。うん。あのね。おとうさんのおじいちゃんと、おばあちゃんが住んでる所はね。あの、滋賀県の西。なんや。おまえ、知っとったんか。あ、ううん。今ちょっと聞こえちゃっただけ。あ、でもね。僕おとうさんの実家大好きだよ。おお。ほんまか。どういうところが好きや。あ、具体的にですか?えぇっと。見たことのない虫がいる。うん、あとね。見たことのある虫が、見たことのない大きさ。ううん。ああ、ごめん、ごめん。気使ってたんや。ああ。じゃ、でもな。リクはその虫を見に今度の休みは、おとうさんの実家に帰るんでいいいな。うん。うん。ううぅん。ああぁ。ごめん。気使ってたんや。当たり前じゃないのよ。ねえ、リク。そんな田舎行きたくないわよね。リクは今度の休みはおかあさんの実家帰りに、東京に行きたいよね。はあ?東京?いや、ちょっと待って。えぇっと、おまえの最寄りの駅どこやったっけ。池袋よ。いや。そんな山手線1本で帰れるとこ、ちゃうかったやろ。池袋から徒歩5時間で帰れるもん。それ最寄の駅、言わへんやろ。なんや。東武東上線いうの乗らんかったか?ま、厳密に言えばよ。成増?そんなんやったっけ?ちっ。和光市?ファイナルアンサー?志木。埼玉やないか。でも、ほら。埼玉、志木。ね。県境。どこまで県境やねん。がっつり埼玉やないか。埼玉のどこが悪いのよ。埼玉はね、色々あんのよ。何があんねん。草加せんべいでしょ。草加せんべい詰め替え用でしょ。草加せんべいお徳用とか。色々あんのよ。全部草加せんべいやないか。ねえ。リクは草加せんべい食べに、アゴ鍛えに埼玉県に行こうね。うん。う、ううん。ああ、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん。気使って。あ、あ、あ。じゃあさ。リクはさ。昔話好きだよね。うん。じゃあね。埼玉県に昔から伝わる、おもしろい民話。これ聴かせてあげるから。これ聴いておもしろかったら、埼玉県行こつか。うん。わかった。これ、いい子だね。これはね。昔、昔の話。昔、昔。埼玉県に、シキデレラって女の子がいました。シキデレラ?シンデレラじゃないの?なに、それ。聞いたことない。でね。ある時そのシキデレラの世界で、世田谷区に住むお坊ちゃまが社交パーティーを開きました。シキデレラはそのパーティーに行こうと駅に向かいましたが、東武東上線が人身事故の影響で、ダイヤが大幅に乱れていたため乗れませんでした。え。おしまい?ううん。どうしようかなと思って、駅のまわりブラブラしてたらね。埼玉の母っていう女の人がいたの。その人に状況を説明したら、わたしは魔法使いよって言うわけよ。ま、昼間っから缶ビール持ってたから、あんまり当てになんないんだけどね。でもその人が、エイッてやるとね。馬車が出たの。深谷ねぎの。深谷ねぎ?かぼちゃじゃないの?かぼちゃじゃないの。で、その馬車に乗って、無事世田谷まで行って、お坊ちゃまと結ばれました。おしまい。なんだよ、その話―。おまえ、わけのわからん話したんなや、おまえ。リク。滋賀県にもあるで。もう、いい。もう、いい。これ、おもろい話や。これ聴いておもろかったら、滋賀県帰ろ。これは、昔、昔の話。昔、昔。滋賀県に、おじいさんとおばあさんが住んでました。おじいさんとおばあさん。おもしろそう。そやろ。おじいさんは比叡山延暦寺に座禅を組みに。おばあさんは琵琶湖に洗濯に行きました。おばあさんが琵琶湖で洗濯をしていると、果物の大きなビワが、どんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。これを取り上げようとすると、途中でブラックバスが食べました。え。おわり?つづきは、動画で。三遊亭わん丈動画一覧はこちらから

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三遊亭らっ好「やかん」

あれ知ってますか?知ってるよ。これ知ってますか?もちろん知ってる。なんて言うんで、何でも知ってる、こういう方は周りの人に自分のことを先生と呼ばして喜んでるようでございますが、この先生、字で書きますと言うと先に生まれたと書いて先生と呼ばせます。読みようによっちゃ、先ず生きてる。私が好きなのが先に生えたなんてのがありますけども、何だかよくわからない。こういうところに出てくる先生というのは先ず生きてるという手合いの方が多いようでございまして。こんにちは、先生、こんにちは。誰かと思えば愚者ではないか、久しぶりだな愚者。そこへ上がれ愚者。何しに来た愚者。お茶をお上がり愚者。何だ愚者。ぐしゃぐしゃ踏んづけられてられてるようですね。いやいや先生、今日いいあんべーのお天気ですね。何?今日いいあんべーのお天気ですね。お前、言葉というのは正しく使わなくちゃいけないよ。いいあんべーという奴があるか。それを言うなら、良い塩梅のお天気、とこう言わなくちゃいけないな。そうですか、今日良い塩梅のお天気ですね。いつから気象庁に勤めておる。別に勤めちゃいませんが、今日の今のところは良い塩梅のお天気とこう言ってるんですよ。そうか、だったらそう言わなくちゃいけないな。そうですか。どこか行ってたのか?ええ、あんまし天気がいいもんですからね、浅草の観音様行ってました。何?浅草の観音様。何だそれは。先生知らねえんすか?浅草行くってーと、大きな雷門てのあるでしょ?中入るってーと仲見世ですよ。両側にたーっと店が並んでて面白いでしょ?正面にあるお堂、これが浅草の観音様。愚者の前だがあれは観音様ではない。金毘羅様だったんですか?そうじゃろ。あれは仮名で書くってーと鍬を持ってんだな。浅草金龍山浅草寺に安置し奉るところの聖観音菩薩ってんだ、わかったか愚者。わかりました。人は出てたのか?ええ、出たの出ねーのってね。出たのか出ないのかどっちだ。それは出てましたね。だったらば、出たの出たのと言いなさい。もう一遍聞くぞ。人は出てたのか。はい、出たの出たの。何だこれは。いやいや、こうなっちゃうんですよ。たくさん人が出てたって思ってね。猫も杓子も出てましたよ。お前、猫は足があるから出ることはないよ。杓子はお前、どうやって出る。よく言うじゃないですか、大変人の出てることを猫も杓子もって。それを言うならめこもせきしもだな。めこというから女子、せきしというから赤子。めこもせきしも老若男女押し鍋で雑踏したりと、こう言わなくちゃいけないよ。つづきは、動画で。三遊亭らっ好動画一覧はこちらから

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桂 鷹治「のめる」

なくて七癖あって四十八癖なんていうことを申しまして、俺は癖なんぞはねえよって方でも、よく探してみると七つぐらいは癖があるんだそうでございます。ただ、人が見ていてあんまり良い癖というのはないようでございましてね。よくある癖というのは、鼻の中へ指を突っ込みましてね、何かを掘り当てようという。フロンティア精神豊かな方がいらっしゃいますけれども。ゴールドラッシュでございますが。ただ掘り当てるだけじゃございません。しげしげと観察をいたしまして、自分の健康状態のチェック。それから徐に指の先で丸め始めまして、ともするとどっか飛ばしたりなんかするという。これはあまり良い癖じゃございませんけれども。爪を噛む方というのもいらっしゃいます。これは指は決まっておりませんでね。親指でございますとか、人差し指の爪なんてのを噛む。あんまり足の爪を噛むという方はいらっしゃらないようでございますがね。喫茶店かなんかで二人差し向かいでお茶を飲んでおります。いきなり靴を脱いで靴下を脱いで足の爪を噛み始めるという、こういう人とは付き合いを考えた方がいいんじゃないかなと思うわけでございますが。今は少なくなりましたけれども、畳の毛羽を毟るなんて方ってのも昔はよくいたんだそうでございますけれども。あの、御免くださいまし。こんにちは。ああ、あなたですか。どうぞ。すいません。早く来ないといけないとは思っていたんでございますけれども。その…敷居がかぼいというやつで、なかなかちょいとこう…こちらにお邪魔することが出来なかったんでござい…いや、お返しする物は必ずお返しいたしま…えぇ。当てがありますので、必ずお返しはいたしま…えぇ、必ずお返しをいたしま…あの、来月末までお待ちいただきたいんで…えぇ、来月末になりましたら…必ず来月末にお返しできると思いま…えぇ。来月末には必ずお返しいたしますんで、それまで…ひとつ…お待ちの…ほどを。婆さん、この人だこの人。最近うちの畳の傷みが激しいと思ったらね、みんなこの人が毟ってた。ちょっとあなた困るんですよ。困るってんですよ。お困りなのは重々承知。いやそのね、畳の毛羽を毟られると困るんですよ。一昨日表替えしたばかしなんですから。え、一昨日表替えを?どうりで今日のは骨が折れる。そんなにまでして毟らなくていいんですけれども。こういったところが我々の材料になるわけでございますけれども。つづきは、動画で。三桂鷹治動画一覧はこちらから

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桂翔丸「悋気の幽霊」

焼き餅は遠火に焼けよ焼く人の、胸も焦がさず味わいもよし、なんてなことを申しまして。焼き餅というのはあんまり焼かない方がいいようでございますけれども。この話に出てまいります女将さんというのが、大変な焼き餅焼きでございましてね。魚は焼かなくても、焼き餅を焼かない日はないというぐらいの大変な焼き餅焼きでございまして。旦那様もほとほと困ってるわけですけれども。この女将さんがある時、ちょっとした風邪が元で床に臥せっておりまして。ごほごほ。お前さん、あたしゃもう駄目だよ。何を言ってるんだ、おいち。ただの風邪じゃないか。ほらほら、先生がね、煎じ薬置いてった。あたしが煎じてあげたからさ、これお飲み。自分のことは自分が一番よくわかるんだ。あたしゃもう長くない。そんなこと言っちゃいけないよ。病は気からってんですから。いいから早く薬をお飲みってんですよ。もしあたしが死んだら、お前さんには、後添いって話になるだろうね。おい、死んだらなんてことを言っちゃいけない。いいから、この薬を早くお飲みってんですよ。まあこれだけの大きなお棚だ。女将さんがいないと回らないのはよくわかる。だけどね、あたしゃお前さんが後添いをもらうということが、どうしても許せないんだ。いいかい、お前さん。もしあたしが死んでも、後添いなんぞおもらいじゃない。わかったわかった。後添いなんぞもらわないからね。いいから早いとここの薬をお飲みってんですよ。いいかい?もしお前さんが後添いをもらったら、あたしゃ幽霊になって化けて出るからね。お前さんが後添いをもらったら、あたしゃ絶対に幽霊になって化けて出るからね。わかったわかった。後添いなんぞもらわないからね。いいから早いとここの薬を早くお飲みってんですよ。何だってそんな薬飲ませたがるんだろうね。わかりました、いただきますよ。飲めばいいんでしょ、飲めば。飲んだよ。これでいいのかい?お、飲んだかい?ああそうか、全部飲んだかい?一滴も残さずに飲んだか?ああそうかそうか。そしたらな、あとはもう寝な。いいから、起きてちゃ体に障るから寝なってんですよ。いいかい?起きちゃいけないよ。絶対に起きちゃいけないよ。もう二度と起きるんじゃないよ。何だいお前さん。寝ればいいんでしょ、寝れば。お前さん、さっきの約束破ったら承知しないからね。お前さんが後添いをもらったら、あたしゃ絶対に幽霊になって化けて出るからね。ってんで、まあどういうわけかわかりませんけれども、この女将さん、その晩のうちにころっと亡くなってしまうわけでございまして。旦那様は野辺の送りを済ませるわけでございますが。あれ?あれ?ここ一体どこなんだい?あたしゃ、今の今までうちで布団で寝てたと思ったんだけれどもね。だけどここは何だか、薄暗くって、陰気で、ミッドナイトよせ太郎みたいなとこだねここはね。あれ?でも、さっきまで病気で苦しかった胸が苦しくない。身体のどこも痛くない。あはは、ひょっとして、あの人がくれた薬が効いて、あたし病気治ったのかしら。ちょいと、お前さん。あたし病気治ったみたいだよ。ちょいと、お前さん。どこ行ったの、ちょいとお前さん。お前さん。お前さーん。つづきは、動画で。桂翔丸動画一覧はこちらから

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古今亭今いち「思い出」

ごめんくださいまし。おおみやでございます。ごめんくださいまし。おおみやでございます。あら、おおみやさん。いらっしゃいませ。奥様、おはがき頂戴した時に、すぐ伺おうと思ったんですが、店の方が立て込んでおりまして、今日時間ができましたんで、伺いました。そうですか。玄関先ですと、お客様がいらっしゃいますと、戸を開けますのでどうぞ、中ほどのほうまで上がっていただきとうございます。さいですか。では、失礼をいたします。さぁさぁさぁ。どうぞ、こちらへ。お布団をおあてになって。失礼いたします。あら、すごい汗。お羽織、お脱ぎになったらいかがですか?すいません。じゃ、失礼して着物を脱がさせて、羽織を脱がせていただきますよ。おたたみしましょうか。え~、結構です。結構です。古着屋の羽織なんていうのは、もう、ほこり除けでございますんでな。帰りもすぐ、着て帰りますんで。で、今日はどのようなお品物をご処分されたいんで?え~、若いころ来ておりました、おめしがございます。けっこうですな。派手な方が需要がございますんで。あ。こちらですか?では、拝見をいたします。これは、また、意気な柄でございますね。こういう薄い色系が流行っておりまして。また、奥様、お手入れがよろしゅうございます。着物というのは、お手入れのものでございましてな。酷いものにかかりますと、もう、台無しでございまして。奥様、こちらのおめし5500円で頂戴をしたいのですが。まぁ。このおめしが?5500円でございますか?あたくしは、8000円には、なろうかと思いましたけど。奥様、こちら、6000円という品でございます。が、上前の膝のところ、ここでございます。二銭銅貨ばかりのシミがございます。これは染み抜きに出しても、抜けるものじゃぁございません。これがどうしても500円のキズとなります。このわずかなシミが、500でございますか。忘れもしません、このシミができたのは今から40年前。主が仕事から帰ってきて、お前に似合うと思って買ってきた。どうだこの反物。見ました。とっても意気な柄。これは、花柳界の方が着る着物でございます。私のはとっても似合いません。そんなことはない。お前はなかなか後姿が意気なんだ。役者だったら梅香にそっくりだ。大丈夫だから仕立ててごらん。つづきは、動画で。古今亭今いち動画一覧はこちらから

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立川吉幸「家見舞い」

おーい、こっち来なよなんだいなんだいじゃねえよ。え?聞いたかよ、兄いのとこだよ。今度新しく家を建てたらしいんだよおお。そんなこと聞いたよ。みんな寄ってたかって兄いのとこに家見舞いだかって祝いのもの持ってっちまったってんだよ。残ったのは俺とお前の二人だけだってさ。そりゃまずい。まずいよ、兄いには普段から世話になってんだから、こういう時にな、祝いのものをドンと持って行かなくちゃいけないと思ってさ。これからお前と二人で、なんか祝おうじゃねえか。そりゃあね、祝うのは良いけどね、こっちはぼて振りなんだからさ、兄いがもう買っちゃったとか、だれか持ってっちゃったとかなんてもの、祝うって言うのは物が二重になっちゃって物が無駄になりゃしないかな。そこなんだよ。だからね、さっき兄いのとこ寄ってみたんだ。したらまだ、水瓶を買ってねえってんだ。これからお前と二人でさ、水瓶買って持ってこうじゃねえか。おお。ちょうどいいや。あそこに瀬戸物屋があらぁ。あそこで見繕って買っちまおうじゃねえか。ちょいとー、ごめんよ。はい、いらっしゃいまし。何をお求めでございますかなうん、ちょいとね、水瓶見せてもらいたいんだよな。ああ、水瓶でございますな。え?あぁ、あなたの兄貴分って方が今度新しく家をお建てになって。それはどうもおめでとう存じます。それでお祝いでもって水瓶。あなたがた、いいところに目を付けましたな。たいがいこの祝いのものってね、座敷のものを持って行くんですが、それだとね物が二重になって無駄になったりなんかいたしますよ。そこを台所のものに目をつけたなんてあなたがた大したもんですな。どうです?あなたがたのその目の前にある、ものは備前焼でもってね、焼はしっかりしてますしな。これ持ってってごらんなさいや。あなたがたの兄貴分って方もう大喜びしますから。はぁ~なるほど。備前焼だってさ。ていしたもんじゃねえかな。おいあんた、この瓶これいくら?えーそちらでしたら18円で結構でございますよ。はぁ、18円ね。物もいいけど値段もいいな。やー親方、おれたちそのね、じゅーっていう音がしねえほうがいいんだよな。あぁ、そうですか。もう少々お安いほうが。それだったらいくらでもございますよ。どうです?このお隣にある、ものは一回り小さい一回入りですがね、それはもうどこに出したって、恥ずかしいって代物じゃありませんよ。つづきは動画で。立川吉幸動画一覧はこちらから

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