落語

柳家花ん謝「思い出のスーパースター」

私が初めて草津温泉の温泉落語っていうんですけれどね、出させて頂いたときに、冬の寒い日のことでございました。いつも通り、ワーッと宜しくお願いします、と喋っているんですね。その時は、いま熱の湯というのが新しく建て替わったんですが、その時はまだ古い熱の湯でございましてね。入口がこの辺にあるんですよ。真横に。ですから、当然そういう場所でやっていますから途中で入ってこられるお客様とかいる、こう客席があって真ん中にお湯が張ってあるんですけれどもね、誰かが入ってきたらなんとなく「あ、どうも大丈夫ですよ。どうぞどうぞお好きなところ」なんてんで、ご案内をしなきゃいけない。私はね、5分くらい喋ってたんですよ。そしたらまた、ギーっと開いて誰か遅れてお客様が入ってきた。「あ、だれかきたな」と思ってパッと見ましたらね、大変な方が入ってきたんですよ。恐らくご覧の方が皆が知っている、全員知っているというね、大変な方が入ってきたんですよ。もったいぶらず言いますとね、誰が遅れて入ってきたかというと、中村勘三郎さんが入ってきたんですよ。ほんとに。そういう空気になりますけど、そんなわけねぇだろと思うんでしょうけど、ほんとに入ってきたんですよ。奥様と。番頭さんでしょうか、引き連れて。後で伺ったらその当時、やっぱりね体調もあまりよろしくなくて草津にいらっしゃっていたそうなんですよ。みんなとご飯を食べて、奥様が「お父さん、ちょっと散歩行きましょう」ってんでね、湯畑の方まで出てきた。出てきたら、看板があるわけですよ、落語会をやっている柳家花ん謝。「おぉなんだこいつ。若手か、おもしろそうだな」っていうんで、勘三郎さん自ら1000円払って入ってきたんですよ。勘三郎さん自ら1000円払って入ってきたんですね。よろしいですか。いいですか。皆さんの為にお金は払いませんよ。私の為に1000円。生前最後に芸をみたというのは。お金払って。私なんじゃないかと。それがどうしたということでしょうけどもね。入ってきたんですよ。私は当然、大ファンですから、パッとあら!勘三郎さんが来たってんでね、心臓が止まりそうになるんです。でも、落語をやってますから止めるわけにはいかない。ドキドキ ドキドキしながら、どうしよう どうしようと思いながら、お客様もね全員気づいたんです。その時7.80人くらいお客様いらっしゃってたんですけれども、変装しないで浴衣でそのままフラッとあの方ががお入りになったから「嘘でしょ」「どうして」ってお客さんがピーンと空気が張り付いた。つづきは動画で。柳家花ん謝動画一覧はこちらから

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立川談吉「当たりの桃太郎」

昔、昔、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでおったそうな。お爺さんは山へ芝刈に、お婆さんは川へ洗濯へいったそうな。お婆さんが川で洗濯をしていると、どんぶらこ、どんぶらこと、比較的大きな桃が流れてきました。あれま、比較的大きな桃だ。持って帰ってお爺さんのお土産にしましょ。ただ今帰りましたよ。あら、お爺さん、お帰りなさい。ご飯にします? それとも、桃にします?桃? なんだ桃っていうのは? あら、大きな桃だね。どうしたの?ええ、川でね拾って来たんですよ。川で! 大丈夫かいこれ?どうします? 桃、食べますか?いや、いい。喉が渇いたんでな、お茶を飲もうかな。桃は?いや、いい。はい、お爺さん、お茶でございます。ありがと、ありがと、なんだい婆さん、茶柱が立ってるよ。あら、本当ですね。なにかいいことがあるかもしれませんね。桃は?いや、いい。しかし、なんだな、今日は帰ってくるとき思ったけれどもな、子供というのは可愛いもんだな。なんです、急に。いやね、帰り道ね、村の子供たちが、かけっこして遊んでいたんだ。大きな子供に交じって小さな子供が、トコトコトコと追いかけっこなんかしてね。転んで大丈夫かなと思ったら、また泣かずに立ち上がって、トコトコトコ転んで、トコトコトコ可愛いもんだなと思ってね。それは可愛いもんですね。子供っていうのはいいもんだね。私たちには、いませんからね。子供、ほしいな。ほしいもんですね。桃は?いや、いい。風呂入ろうかの。でも、お風呂の後に桃だと、べとべとになりますよ。でもな、こんなに大きいと食欲がわかんでな。ちゃんと、細かく切りますから、ねっ。残したっていいんですよ。なんだい、婆さんが食べたいんじゃないのかい? わかったよ。じゃあ桃切っとくれ。はい。お婆さん、満面の笑みで、桃の割れ目に包丁を入れますと、桃がパカッと左右に割れました。中から、眩い光とともに玉のような男の子が生まれます。オギャー、オギャー婆さん、赤ん坊だ。赤ん坊ですね。男の子じゃ。男の子ですね。神様からの授かりものじゃ。大事にしましょうね。桃から生まれたので、桃太郎と名付けようというと、この赤ん坊が、みるみると成長いたしまして、裸のまま少年の姿になりました。かと思うと、すくすくと成長いたしまして、裸のまま立派な青年の姿になりました。かと思うと、ぬるぬると成長いたしまして、小太りの中年の姿になりました。かと思うと、だんだんと腰が曲がり、年老いていき、安らかな笑顔で横たわり、そのまま息を引き取りました。その間6秒。立川談吉動画一覧はこちらから

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笑福亭竹三「秘伝書」

こんにちは。おお、お前かいな。長いこと顔見せなんだがどないしてたんや。相も変わらずつまらんのでおうじょうしてまんのや。またや、お前はないつおうてもつまらんつまらんいってな、そんなことをいってたらしまいに友達付き合いせんようになるで。いやいや、ほんまにつまらんさかいにつまらんいってまんのや。例えそうであったとしてもや、少しぐらいな、嘘が混じっててもええさかいに大きいことをいうんや。大きいことをゆうといたら、あいつと付きおうてると心が豊かになるな、気持ちが大きいなるなゆうて友達の数が増えるんや。ええか、ちょっとぐらいな嘘が混じっててもええさかいに大きいことをいうんやで。さようか。嘘混じってても。ほなね、わて今まであんたに隠してましたけど、うちの兄貴っちゅうのが鎌倉の大仏さんでんにゃ。あほ、誰がそんなことを信用すんだ。あのな、ちょっとぐらい本でも読もかちゅう気にはならんのか。なんぞええ本おまっか。お前のためにな、本買うといたったんや、見てみこれ。処世術入門、これはな人生に希望と光を与える本や。えっ、人生に希望と光。それどんなことが書いてまんがな。お前みたいにな、世渡りするのが下手な人間がうまいこと世間をわたっていく方法、コツっちゅうのがここに書いてあんねん。面白そうでんな、それちょっと読んで聞かしておくんなはれ。お前のために買うたったんやからな。こんなんがあるな、釜なくてして飯を炊く方法。えっ、釜がのうて飯が炊けまんの。ちゃんとな、答えも書いてあんねん。釜なくして飯を炊く方法。答え、鍋で炊けとしてあるな。当たり前でんがな。当たり前のことがここに書いてあんねん。人生というのは自然の摂理に逆らったらいけませんよと、そういうことがこの本に書いてあるんやな。お前な、お酒の方はどないや。お酒、いやわたい大好きでんや。たまにはね思いっきり酔いたいな思ってんまんのやけど、ここんとこ稼ぎおまへんやろ。酔いたいか、こういうのがあるな。酒なくしておもっきり酔える方法。それね、わたい答え分かりましたで。ビール飲めでっしゃろ。違う。ウィスキー、ワイン、焼酎。違う。酒なくして思いっきり酔える方法。答え、嵐の時に船に乗れとしてあるな。それあんた、船酔いでんがな。もっと他おまへんのか。他いろいろあるで、こんなんあるな、一月100円で食える方法。この物価高に、一月たった100円で食えまんの。それちょっと教えておくんなはれ。一月100円で食える方法。答え、ところてんを食えとしてあるな。どや、分かったか。ところてん、それなんのことでんのや。分からんかい、よう聞けよ。ところてんっゆうたらこうゆう筒ん中にところてんいれてな、棒でもってなグッとつくやろ。これで一突き100円や。一突き、それ一ヵ月とちゃいまんの。もっと他おまへんか。他いろいろあるで。二月500円で食える方法ちゅうのもあるな。それはところてんやおまへんな。それどないしまんねん。二月500円で食える方法。答え。親子丼ぶりを食えとしてあるな。それはなんとなく分かったような気がしますけど、ちょっと説明しておくんなはれ。つづきは動画で。笑福亭竹三動画一覧はこちらから

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柳家やなぎ「自由が丘由来」

お付き合いを願っておきますが、我々芸人というのは普段はまぁご自分の車でもって色んな所に出かける方もいらっしゃいますけれども私達みたいな若手でね、やはりこう普段は電車、地下鉄そういったものを利用して移動するわけでございます。私もほんの10年ちょっと前にこちらご当地、東京という所に住まいを持つようになったんですけれども初めて来た時というのはもう路線図がね、東京という所は路線が凄い多いですからこう色んな所へどこへ行くにも地下鉄さえ乗れればどこへだって行ける。本当に便利でございますね。で、もうひとつこの地下鉄の中で便利だなーと思いますのがいわゆる東京の地下鉄というのはねローマ字一文字でもって色んな路線を表記してもらえる、これは見ていて楽ですね。自分でもって例えば東西線に乗って移動した時に「あっ丸の内線に乗り換えるんだ。どっち行ったらいいんだろう。あっMの字が書いてあるからあっちへ行けば丸の内線に乗り換えられる」これでもって事が済んでしまいますから大変便利だなーと思います。ねぇ色々思考を凝らしておりますよ。東京の地下鉄のローマ字でもってね丸の内線はあれMなんですね。まぁ丸の内だからMなんですよね。東西線だったらTとか。ローマ字一文字です。日比谷線だったらHとか。銀座線だったらGと。こう色々ね分かり良いんですけどもひとつだけ納得できないのが半蔵門線なんですね。半蔵門線あのZって書くんですね。いやどっから来ましたかと大変疑問に思ってしまう、誰ですかあなたという風になっちゃうんですけどね。でもいいですよ。やっぱり半蔵門という言葉を聞いたときにね、本当だったらHなんですよ。だけどもHはほら日比谷線がもってっちゃってるんですね。ですからどうしても半蔵門君はZにならざるをえなかったんですけど。ですか半蔵門はいいんですよ。だってね人間こうどう考えたってこう耳に入ってくる響きでもってね、は、は、は、はん、はんって言うよりもね、ぞうって言われた方が絶対強いですからね。は、は、はん、はん、ってよりもぞう、あっぞうですとこう頭下がりますよ。ですから半蔵門線はねZであーもうこれはもういいんだなっていう風に思います。どうしても納得いかないのが都営三田線なんですね。皆さんご存知ですか、都営三田線、あれあのIって書くんですよ、いやあなたこそどっから来ましたかと、大変不本意な。で三田線などね字で書くとMITAなんですよ。ローマ字だったらね。だったら最初、Mじゃないかと思ったらMはほら、丸の内線が取っちゃったんですよ。でもってじゃあ三田のたのTと思ったらTは東西線が取ってる。じゃあどうしようかなと思った三田君はしょうがない、これでいいやってIを貰ったんですよ。だったらね、だったら私なんかは思いますよ。それでね三田がIになるぐらいだったら、丸の内。ね、丸の内線だったらね、あれは丸の内なんだから丸の内でもってUとかになってね。残ったMをじゃあ三田君、僕のMをあげるよってなれば本当スムーズにいくんですけどほら、丸の内線ってプライド高いじゃないですか。つづきは動画で。柳家やなぎ動画一覧はこちらから

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林家つる子「お菊の皿」

こんにちは!隠居さんいらっしゃいますか?こんにちは!ちわ!こんにちは!ちわ!隠居さんいらっしゃいますか?こんにちは!はいはい、おぅなんだい、こりゃ随分と若いもんでもって集まった。まぁまぁいいからこっちに上がんなよ。いやいやいいんだよ、あたしもね、おばあさんが亡くなってからもう3年という月日が経ちますけれどもね、猫と一緒にいても面白くともなんともないんだ。そう、こいつと若いものが時たま集まってくれて、面白おかしい話を聞かしてくれる、こんなにうれしいことはないね。ん、なんだい?酒の在処はわかってるだろ。茶碗はそろいじゃないけどもさ、適当に出してやっとくれよ。はいはい、で、今日はどうしたい?何かあったのかい?実はね隠居さん、あっしなんですよ。おぅトメさんかい。どうしたい。隠居さんに聞きてぇことがあってきたんだ。あたしに聞きたいこと?何だろね?実はね隠居さん、あっちはね、信州の山奥に親類が住んでましてね。その親類の家に遊びに行ったんですよ。したら江戸っ子っていうのが珍しいんでしょうね「わー江戸っ子が来た!江戸っ子が来た!江戸の話を聞かせてくれよ!」って。もうこっちもその気になっちゃって、芝居の話、祭りの話、相撲の話、もういろんな話をしてやったら、もうわぁわぁ言って喜んだんですよ。そしたらね、そのうちにその村一番の長老っていうのがついついと出てきましてね。「お前、江戸っ子ってぇことを聞いたが、皿屋敷をしってるか?」こんなこと言うんですよ。冗談言っちゃいけませんよ!こちとら皿屋敷なんて知りませんよ。花やしきなら知ってるけど。取り合えずそんな屋敷は江戸にはねぇなって言ったら、そのじじぃが「かーっ、お前江戸っ子のくせに皿屋敷も知らないのか。それでほんとに江戸っ子か?」こんなこと言うんですよ!冗談言っちゃいけねぇ、こちとら親代々江戸っ子!今日は寄り合い、みんな集まってる!みんなに聞きました!誰一人として知らねぇんですよ!で、この父つぁんが言うのにはね、もしかしたら隠居さんなら知ってるんじゃねぇかって、まぁあの隠居っていうのは年を取ってる、物を知ってるから、もしかしたら隠居さんならわかるかもしれね。じゃみんなで行って聞いてみようじゃねぇかって!こうやって集まってきたんですけどもね。でも隠居さん、何ですよね、そんな江戸に皿屋敷なんてのはありませんよね?はぁ、お前たち皿屋敷の話を聞きに来たのか。はぁ、そうか、ま、今となってはもう若いもんは知らないかもしれないな。というのもな、今ではその祟りを恐れて噂をするものもいなくなった。つづきは動画で。林家つる子動画一覧はこちらから

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柳家やなぎ「転失気」

お付き合いのほどを願っておきますが、これから申し上げるお噂はあるお寺の噂でございます。和尚さんが体の具合が良くないというので、お医者の先生が来て診察をいたしました。生憎体のほうは何ともなかったのですが、体を見ているうちに下っ腹がやけに出っ張っている、これは先生気になりまして和尚、ずいぶん下腹が出ておりますが、近頃転失気はおありですかな。転失気はあるか、と尋ねた。ところが和尚は転失気という言葉を生まれて初めて聞いて何だかわからない。わからなければ『それはなんですか』と聞いてしまえばよろしゅうございますが、この和尚という方は大変に知ったかぶりの強い方でして、はい、転失気ですか・・・転失気、そうですか。転失気ねぇ・・・転失気わしも年ですからね。若いころはずいぶんやりましたが、近頃はやりませんそうですか。では薬を調合しますからどうぞお大事にと言って医者は帰ってしまう。残った和尚はなんだかわからない。頭の中を転失気という言葉が渦巻いておりまして、はてな。なんなんだあの転失気というものは。わしもわからんければそれはなんだと尋ねればよかったんだ。だがのう、寺の和尚ともあろう者が知らんとは言えずつい知ったふりをしてしまった。はてな、転失気・・なんなんだ転失気。そうだ、小僧のちんねん。あいつはまだ子供だがあいつは物をよく知っている。そうだ、あいつに聞けばわかるかもしれん。そうだ、もしもあいつがわからなければあいつを脅かして聞きにいかせればよい。そうすればワシは恥をかかんでよいではないか。これぞ和尚の特権だ。そうしよう。これこれ、ちんねんはおらぬか。ちんねんや。へーい!和尚様お呼びですか?ちんねん参ったか。お前すまんがな。お前転失気を持ってきなさい。転失気ですか?和尚さんすみません、転失気ってなんです?なんですとはなんだ。わしはこないだお前に教えたはずだ。何故忘れた初めて伺ったんで、転失気とはこういうものと教えていただければ、すぐにお持ちしますそれではいかん。お前はすぐ物を忘れれば、ワシに聞けばいいと思う。それでは一つ事物を覚えることはできん。ではなちんねんこうしよう。お前これからな、門前の花屋か雑貨屋に行って、転失気を借りてきなさい。そうだ。お前さんがそれを借りてみれば、あー転失気とはこういうものか、と生涯忘れることはない。ひいてはお前のためになることだ。ではいってきなさいはい。では私が、花屋さんか雑貨屋さんに行って借りてきます。いってきます!なんだろうな転失気ってな。あたい初めて聞いたんだよ。和尚さんも教えてくれればいいのに。でもこないだ教えたって言われたけどな。あたい知らねえよ。転失気ってどういうもんなんだろうな。あ、雑貨屋さんだ、雑貨屋さんで借りればね。こんにちは!こんにちは!誰だい?おや、ちんねんさんどうしたい雑貨屋のおじさんすみません。あたいちょっと借りたいもんがあってきたんですお前さんがうちに借りたいもん。こらいいところに来てくれた。お前さんも知ってる通りうちの雑貨屋ってのはね、この品ぞろえだったらもうね、東西合わせてもこの品ぞろえしてる店はないからね。お前さん大船に乗ったつもりでね、とーんと言ってごらん。とーんと。とーんと言ってみなそれはよかった。あたいじつは転失気借りに来たんですなにを!あの、転失気なにを!あの、何をじゃないんです。転失気なんですなにをわかんないな。転失気なにを!転失気て、転失気?お前さん今、転失気ってそう言ったのかい?そうなんです転失気貸してくださいそれは、お前、て、て、転失気借りにきたのかい?あれ?東西で一番の一番の品ぞろえなのにないんですか?転失気つづきは動画で。柳家やなぎ動画一覧はこちらから

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立川らく人「権助魚」

ゴンスケや、ゴンスケ。うい~何でございやしょう女将さん。ちょいと、こっちいらっしゃい。お前に聞きたいことがあるんだよぉ。ありま~オラに聞きたいことでごぜーやすか。あんでごぜーやす?最近うちの旦那、変だと思わないかい?旦那さまですか?いや、そんな事は思いませんが。そうかい?ええ、もともと変でごぜぇやす。いや、そんな事じゃないんだよ。私の勘だけどね、わきにかこってるんじゃないかと思ってね。妾を。あれま。うちの旦那様が、それなら心配いらねーだ。うちの旦那様ぐらい物固い人もいねーだ。お前にはわからないんですよ、女の勘なんだからね。別に私だってやきもちで言ってるわけじゃないんだよ。お客様のお見えになってどこに行ったかわからあじゃあ女房失格ですからね。なでか、お前だって思いつく事あるだろう?いや、オラが思いついたって、すぐ逸れちまうだ。それが何よりの証拠じゃない。だけど、いっぺんくらいは。いや、オラ本当に知らねーだ。この正直もので通っているゴンスケが知らねって言ったら知らねだ。まあ、お前がそこまで言うんだったら、知らないのかもしれないけどね、話は変わるんだけどお前の好きなもの好きな食べ物とかはないかい?オラね、今川焼きが好きでね。全く女みたいなものを好きなんだね、まったく。それじゃあ、お前にこれをあげようじゃないか。この1円を。ありまぁ、盆でも正月でもないのにオラにこうだらものくれるだか。これをあげたからと言うんじゃないんだけどね、一体どこなんだい?なんでごぜえやす。どこなんだい?どこったら、確か道へ出て突き当たり右に曲がって3件目でごぜぇやす。まあ、そんなに近くかい。目と鼻の先じゃないか、悔しいね。で、一体いくつなんだい?なんでごぜぇやす。いくつなんだい?いくつったら確か3つで5銭だんべ?なんだい?今川焼きだんべ?今川焼きじゃないよ。妾のうち妾のうちは知らねぇ。知らなねぇから1円返す。返す事はないんだよ。それならお願いがあるんだけど、旦那帰ってきたら、またお出かけになるから、その時お前を共に付けるから、いいかい?今日は逸れないで妾のうちを見つけてきておくれ。大丈夫でごぜぇやす、ゴンスケ女将さんの味方だからねぇ、無心論者とゴンスケ神に誓って見つけてきますだ。つづきは、動画で。立川らく人動画一覧はこちらから

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立川らく人「時そば」

そば~う~おい、蕎麦屋さん。何が出来んだい。花巻にしっぽく、しっぽくそれじゃあ、熱くしとくれ。それにしても寒いな。へい、お寒うございまなあ。おら、ちょいと風邪ひいちまってよ。熱いのなぐりこんで寝ちまえば治ると思ってよ、熱くしてくれよ。蕎麦屋さん景気はどうだい?いやー不景気で困りますな。そうかい、そいつは良かった。何が宜しいんで?昔から言うじゃねえか。良い後は悪い、悪い後は良いってんだい。商いってんだい飽きずにやなくちゃいけねぇよ。これは、上手いこと仰いますな。そうじゃねぇがと思うんだい。お、お前んとかあんどんが変わってるね。的に矢が当たってるじゃねぇか。ええ、うちは当たり矢と申しますんで。当たり矢かい?よっ、わきで持ってよ、がらぽんがらぽん、博打やってんだい。当たり矢なんて嬉しいじゃねえかな。このあんどん見たら一杯食うようにするからな。へい、ご贔屓に。贔屓なんて程の事は出来ねえけどよ。へい、お待ちどう様で。おい、待て。もう出来たのかい?ひょういと喋くってる間、へいお待ちどう様、こちとら江戸っ子だよ?気が短けえんだよ、あつらえた物がなかなか出来ねぇ催促してやっと来るなんてのはよ、うめえもんでも不味く感じちまうんだからな。お前んとこ、割り箸使ってんの?へえ、この界隈蕎麦屋さん沢山あるよ?たいがい使ってるのは丸箸。箸が割れてんだい。あんなのは誰が使ったのかわからねぇ。割り箸なんて綺麗ごとで良いやなぁ。また、器が良いねぇ。物は器で食わせるっていうのは、全くだよ。少々中身が不味くたってよ、器が良いってーと上手く感じちまうんだからな。ふーふーずー良いつゆ加減じゃねぇか。かつおぶしおごったな全く。これね、麵が細いのが値打ちなんだい。時々あるんだよ、うどんじゃねぇかって言う太いそばがよぉ。ふーふーずーこしがあって上手い蕎麦じゃねえか。ふーふーずーお前んとこの竹輪、こんな厚くて、でぇじょうぶか?たまにあるんだよ紙みてぇに薄いのが。あんなの寒々しくていけねぇや。また腑を使ってんだい、竹輪ぶ。あんなの病人の食いもんでいけねぇや。そこんところくってぇと、お前んとこは・・・本物の竹輪だ。これは二八そばにしちゃ、出来すぎだな、全く。ふーふーずずーー蕎麦屋さん上手かったい。もう一杯といきたい所なんだけどよ、脇で不味いの食ってお前さんとこ口直しだい、一杯で簡便しな。何杯でも結構でございます。蕎麦屋さん、一体いくらだい?つづきは、動画で。立川らく人動画一覧はこちらから

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鈴々舎八ゑ馬「~結婚の挨拶編~」

師匠師匠、相談があって来ました。またか、お前の相談あんまり、良い話じゃないねんけど、何やねん。僕ね、今度彼女のお父さんに結婚の挨拶行こかなって思うんですけども、これどう言う挨拶したら良いんかなって思って師匠に相談に来たんです。そら丁度良かった。いやいや実はな、この間、うちの娘。彼氏がうちに挨拶に来よったんや。そら、しっかりした挨拶やったぞ、お前。そのままやったら上手く行くわ。お願いします、教えて下さい。せやな、まずな向こうの人が来てやな、うちに来て早々。初めまして、お父さん。私、ユミさんとお付き合いさせて頂いてる者です。って、こう言いながらな、手土産渡してくれな。こちら手土産のお酒です。つまらない物ですが、飲み屋で引っ掛けてみたら意外と良かったので宜しければお召し上がりください。言うてからや。お父さんは落語家だそうですね、私ここで思い切って謎賭けをさせて頂きます。これがまたな、盛り上がって面白かったんや。で、ばかなもんで来た後、家も褒めてくれたんや。いや、こちら何ですか、立派なお住まいですね。一辺中に入ると外に出たくなくなってしまいますね。言いながら、こう料理をカツ丼を出してあげてんや、ほなまたこれも、よろこんどったで。え!カツ丼を頂けるんですか?って言った後、隣のお味噌汁のお揚げ。揚げまで褒めてくれたんや。うわ、この揚げも違いますね。段々嬉しくなって来た頃にお父さん、娘さんと結婚させて下さい。ときたんやな。ワシもちょっと断ってみたんや。そら説得してくれた。お父さん、娘さんは確かに良い娘さんですが、いつまで箱の中に入れて置くつもりでしょうか?いつまで手元に繋ぎ止めて置くおつもりですか?私は一生娘さんを愛し続けます。お願いします、結婚させて下さい。と来たから、それなら頼んだぞと。こう、なったんやがな。うわーよろしいな、それも私もやってみますわ。お前いらんこと言うさかい、この通りやってみろ。わかったな。わかりました。やってみます。この男、この挨拶をしっかり頭に入れましてね、結婚挨拶の当日を迎える事になったんですけども、何と、その間にね彼女のお父様が、ちょっと捕まってしまいましてね、酔っ払って裸で表を歩き回ったて言う罪で、拘置所に入ってしまいまして、この結婚の挨拶はそこの面会室で行われる事になりまして。おい、18番、面会人だ。はい。なんだ、君か。どうも。これ、こういう所で使うんですね。うるさいわ。何しに来た。つづきは動画で。鈴々舎八ゑ馬動画一覧はこちらから

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三遊亭わん丈「井戸の茶碗」

インターネットを通じて要らなくなったものをどこかに出して、出品して、それを個人間でやり取りすると、これ大変にリサイクルだと思うんですね。捨てたいわけでございますから。どんどんどんどん形を変えて今の形になったと思うんですね。これ江戸と言われている時代からもちろんありまして、くず屋さんと言いますね。要らなくなったものを引き取ってお金に換えてくれる。今よりもっともっと物というものが豊かではなかった時代でございますから、こんなに重宝された商売というのは無かったそうでございます。ただ、身分としては大変に低い。町中などを歩くのも、もちろん真ん中などを歩くことはできない。溝ん中這って歩くような、そんな身分なんでございます。世の中の役に立つ商売がなんとなく身分が低いというのも、こら妙なものでございますが。このくず屋仲間でもって正直清兵と言われた男がおりまして、根城にしておりましたところが、しば・白羽近辺。ただ今の東京タワー辺り。あのあたりをいつものようにくずーくずお払いー流して参ります。清河寺だなという貧乏長屋へ入って参りますと、長屋の路地の奥の方から、あの、くず屋さん。と、辺りをはばかる声。へい。と返事をしまして声の主を見ますと、年の頃17、8でしょうか。色が白くて、それは楚々としたなんとも美しい娘。こんな汚い長屋にこんな綺麗な娘さんが何でいるんだろう。着ているものに目を移しますと、継ぎ接ぎだらけ。余計にお顔の美しさが引き立つというやつです。この娘の案内に連られまして長屋の路地の奥の方へと入って参ります。お父上。くず屋さんをお連れをいたしました。おお。そうか。いやーすみませぬな。そこにいくらかくずが溜まっており、いくらでも良い、放ってもらいたい。ありがとう存じます。今目方を量らして頂きましたが、7文がちょっと勝って参りました。こちら初めてのお取引でございます。8文でとらせていただきます。おお。8文で買うてくれるか。かたじけない。それとなくず屋さん。これを、幾らでも良い。放てはもらえぬかの。旦那様これは、仏様でございますな。いやー私はこういう骨董というものに目が利かないんでございますよ。ですから、この仏様、どうぞ他のくず屋の方へ。いや、くず屋さん。その方、この仏像の出所を胡乱(うろん)に思っているのではないか。いえ、とんでもございません。この仏様がうどんでできているなんてことは思いません。いや、そうではない。怪しげな出所のものと心得ているのではないか。決して左様なものではない。拙者故あって藩の名を明かすことはできんがの、千代田ぼくさいと申す。見ての通りの老々の身だ。昼間は素読の思念をし、夜は売ト(ばいぼく)をしてその暮らしを立てておるがの、この2、3日雨にたたられての。頼みの綱のばいぼくへ出ることができん。味噌、醤油の類は手習いの子の親達が持ってきてくれるで、事欠くことはないがの、この娘に食膳にたとえ一品でも添えてさしあげられればよろしゅうございますにと、涙ながらに言われると、親として切ない。そこでこの仏像を手放す気になった。どうだ。幾らでもよい。買うてはもらえぬかの。弱っちゃったな。いえねえ旦那様、あっしはね、この仏様に幾らかと値を付けることもできねえんでございますよ。そらお預かりしてもよろしゅうございますよ。ですが、他のくず屋の方が、もっと高い値でお引き取りするかもしれません。そうしますと、旦那様に損をいたしますのでな。ですからこの仏様は、どうぞ、他のくず屋の方へ。いや。そこをなんとか。んー弱っちゃったな。頭下げられちゃって、頭上げてくださいよ。あ、じゃあこうしましょう。私ね、こちらにね8文出させて頂きますね、これは先ほどのくずのお代でございます。それとこちらの方に、50文。50文で買うてくれるか。いえ、そうじゃございません。私ね、ちょくちょくこちらにくずを頂きに伺います。でね、頂きましたくず50文になりましたら、50文でございます。声をかけさせていただきますんで、それまでの前金、手金でもってどうぞお納めください。ですから、もうこの仏様はお仕舞くださいましな。いや、それは困る。それではみどもがその方に施しを受けているようだ。そうか、すまぬ。手間をとらせたの。そんな。もうだから、頭下げないでくださいって。あ、じゃあもうこうしましょう。あのね、あたしね、もうこの仏様100文でお預かりさせていただきます。それでね、たとえ脇で10文でも高く売れましたら、その儲けの方は半分ずつってことでいかがでございますかな。いや、そりゃその方の商いの器量。いくら儲けても差し支えがない。そうか、100文で買うてくれるか。助かる。ええまあまあ、とにかくそういうお約束でお預かりさせていただきますんで。へい。ありがとう存じました。と、この清兵さん。担いでいる籠の中に天秤ばかりとこの仏像を同郷させまして、くずーいくず屋お払い。流してまいりましたのは細川藩の江戸屋敷のちょうど窓下。りょうすけ!今帰った。いやあ、江戸御金板を預かって早10日。重役方へのご挨拶も済んだ。これでお役に精が出せるというもんだ。しかしなんだのう。いかに男所帯と言いながら、この小屋の殺風景極まりないの。くずーいくず屋お払いりょうすけ。江戸というのは色んな商人が通るの。国表では聞いたことのない売声だ。くずーいくず屋お払い。これ、窓下を通る町人。おお、その方だ。その方は、なにを商っておる。私は見ての通りのくず屋でございますがな。くず屋。くず屋とはなんだ。おお、くずを。買う?その方がか。ほう、そのようなことが商いになるのか。ほお、江戸だのう。その方が担いでいる籠の中に入っているのはなんだ。像か、仏か?手に取ってみたいな、真っ直ぐ前で、御門がある。高木の小屋へ入るといって通れ。黙って通るとぼうしばりにあうぞ。よいな。おお、くず屋か、まあ上がれ。その仏像を見せてもらいたい。おお、これはなかなか。よいお顔をなすっておる。時代もついてる。これは買物か?へ?いや、買物か?仏様です。怪物じゃありません。買物、売り物かと聞いておるのだ。買っていただけるんでございますか?うん、値によっては買わんことはない。そうです、買物です。買物。唾を飛ばすな。幾らで手放す。いやー実はね、これね、清河寺だなの御老人様から今100文でお預かりしたんでございますよ。でね、儲けの方は半分ずつにしようっていうお約束でございますから、これ、100文より高けりゃいくらでもよろしいんでございますよ。はっはっはっはっは。お前は正直なやつだな。そうか、ではどうだ。倍の200では。200!?だって、これ元100ですよ。200ってことは50文儲かった。え、本当によろしいんでございますか。欲の無いやつだな。りょうすけ、この者に200つかわせ。うん、くずというものが溜まったらな、必ずその方にこれから払い下げる。ちょくちょく顔出せ。ご苦労であった。ああ、りょうすけ、珍しいものが手に入ったな。これは時代がつい…カタカタ音がするが。腹籠りか。体内に他の仏が忍ばせてある。珍しいものが手に入った。金盥にな、ぬるま湯と塩を入れて清めよ、新しい手ぬぐいを添えて持って参れ。と、この若侍。この仏像を金盥の中に浸しまして、じっくりと磨きをかけております。台座のかみに湿り気がまいりまして、ゴトンと音を立てて出てきたのが、このくらいの油紙にきっちりと包まれた塊。なんであろうと封を切ってみます。ザラザラっと音を立てて出てきたのが、50両という大金。つづきは、動画で。三遊亭わん丈動画一覧はこちらから

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鈴々舎八ゑ馬「師匠と弟子~取材編~」

師匠、師匠、師匠。ちょっと相談があって来ました。あー。なんやねん。おまえの相談、あんまりええことないけどな。あー、どないしたんや。なんか今、師匠に密着取材が入ってるそうですね。いや、僕もテレビ出たいんでね。その取材に出してもらうわけには、いきませんか?あー。ま、たしかにな。お弟子さんにもインタビューしたい、っていう話がきてんねやけど。おまえ、いらんこと言うやろ。な?いらんことさえ言わんかったら、出してやってもええで。いらないこと言わないんで、出してください。あ、そうか。いやいやいや。あのな、大体な。台本ちゅうのが決まったあるから。その通り言うたら、ええぞ。おまえその通り、いらんこと言うたら、あかんからな。その通り言えよ。まずな。インタビュアーがや。あなたの師匠は、稽古の鬼と呼ばれておりますけども、そんなに稽古されてますか?と、こう聞いてくるから。おまえは、師匠は、やりまくってます。と、こう言うねん。な。師匠はいろんなとこで稽古されてると聞きましたが。はい。新幹線の中で寝たふりをして、やってるのを見たことがございます。こう言うねんな。師匠は色んなことに気づかいながら稽古されてると聞きますけども。どういう点を稽古されて、稽古されてますか?と聞いてくるから。以前はスピードで、今は芸全体を意識されております。年間どれぐらい稽古されてますか?と聞いてくるから、軽く一千は超えてます。と。な、だから、師匠は覚えた落語は、どのように保存されてますか?と聞いてくるから、ノートに書いてあるのを発見しました。と。師匠はドンドン、新しいことにもチャレンジすると、聞いてますけども。ユーチューブに、動画をアップしたりしてます。師匠は稽古を休まないと、聞いておりますが。はい。薬を飲んででも、やり続けます。最後。師匠にとって、落語とはなんでしょうか。大事な文化と、おっしゃってました。と。こう言うねや、わかったな。この通り言えよ、おまえ。これ以外言ったら、破門にするからな。ああ。それは嫌です。破門だけは堪忍してください。ああ。わかった。ほんなら、いらんこと言わんかったら、ええから。わしはちょっと今から、落語会行ってくるからな。おまえちょっと留守番してくれ。もしかしたら取材の人、来るかも知れんから、おまえ応対するねんぞ。わかったか?わかりました。ありがとうございます。いってらっしゃいませ。あぁ。テレビ出られるやん。嬉しいなぁ。ピンポーン。取材に来ました。あぁ。どうぞ、どうぞ。上がってください、上がってください。待ってましたんや。ええ、わたし弟子ですねん。師匠から、だいたい話は聞いてますんでね。どうぞ、どうぞ。取材してください。つづきは動画で。鈴々舎八ゑ馬動画一覧はこちらから

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三遊亭わん丈「國隠し」

かおり。ほんならさ。今度の休みは俺の実家に帰るんでいいかな。なに言ってるのよ。今度の休みぐらい、久しぶりにわたしの実家に帰ろうよ。いや。気持ちはわかんねんけどさ。お前の実家、関東で遠いやろ。なぁ。休みもそんなあらへんねん。行って帰ってくるだけで、時間かかるから。まぁ今回も、おんなじ京都の俺の実家で我慢しといてくれや。はぁ?いやいや。こわいこわいこわい。ちゃうちゃう。考えたらわかる。行って帰ってくるだけで、関東は時間かかる。おんなじ京都くらいの俺の実家で我慢しといてくれって。いや、ここは京都よ。で、あなたの実家どこって?俺の実家はおまえ、京都。どすえ。なに言ってんのよ。今京都の人、そんな言葉使わないわよ。東京人で、ありんすって言う人いないでしょ。いや。ちがう。でも、あの。ほんまに俺、京都の東の方。あのね。わたし何回かあなたに実家連れてってもらって、おかしいなと思って調べたのよ。あれ京都の東じゃなくて、滋賀県の西じゃないのよ。いや。ちゃうねん。でも違うねん。ほんまちょっと歩いたら、京都って、もう県境。県境でも滋賀は滋賀なのよ。あたしね。だんなが滋賀県人だなんてばれたら、近所歩けない。なんでやねん、おまえ。リクにだけは絶対言わないでよ。あの子もしそれ知ったらね。自分は滋賀県人の息子という、重い十字架を背負って生きて、、、おい。俺、犯罪者ちゃうねんぞ。そうや。リク呼ぼう。リク。ちょっとこっち来なさい。なに。おとうさん。うん、座って。あの、リクはさ。おとうさんの実家、と言ってもわからんかな。おじいちゃんとおばあちゃんが住んでる所は、どこか知ってるか。うん。あのね。おとうさんのおじいちゃんと、おばあちゃんが住んでる所はね。あの、滋賀県の西。なんや。おまえ、知っとったんか。あ、ううん。今ちょっと聞こえちゃっただけ。あ、でもね。僕おとうさんの実家大好きだよ。おお。ほんまか。どういうところが好きや。あ、具体的にですか?えぇっと。見たことのない虫がいる。うん、あとね。見たことのある虫が、見たことのない大きさ。ううん。ああ、ごめん、ごめん。気使ってたんや。ああ。じゃ、でもな。リクはその虫を見に今度の休みは、おとうさんの実家に帰るんでいいいな。うん。うん。ううぅん。ああぁ。ごめん。気使ってたんや。当たり前じゃないのよ。ねえ、リク。そんな田舎行きたくないわよね。リクは今度の休みはおかあさんの実家帰りに、東京に行きたいよね。はあ?東京?いや、ちょっと待って。えぇっと、おまえの最寄りの駅どこやったっけ。池袋よ。いや。そんな山手線1本で帰れるとこ、ちゃうかったやろ。池袋から徒歩5時間で帰れるもん。それ最寄の駅、言わへんやろ。なんや。東武東上線いうの乗らんかったか?ま、厳密に言えばよ。成増?そんなんやったっけ?ちっ。和光市?ファイナルアンサー?志木。埼玉やないか。でも、ほら。埼玉、志木。ね。県境。どこまで県境やねん。がっつり埼玉やないか。埼玉のどこが悪いのよ。埼玉はね、色々あんのよ。何があんねん。草加せんべいでしょ。草加せんべい詰め替え用でしょ。草加せんべいお徳用とか。色々あんのよ。全部草加せんべいやないか。ねえ。リクは草加せんべい食べに、アゴ鍛えに埼玉県に行こうね。うん。う、ううん。ああ、ごめん、ごめん、ごめん、ごめん。気使って。あ、あ、あ。じゃあさ。リクはさ。昔話好きだよね。うん。じゃあね。埼玉県に昔から伝わる、おもしろい民話。これ聴かせてあげるから。これ聴いておもしろかったら、埼玉県行こつか。うん。わかった。これ、いい子だね。これはね。昔、昔の話。昔、昔。埼玉県に、シキデレラって女の子がいました。シキデレラ?シンデレラじゃないの?なに、それ。聞いたことない。でね。ある時そのシキデレラの世界で、世田谷区に住むお坊ちゃまが社交パーティーを開きました。シキデレラはそのパーティーに行こうと駅に向かいましたが、東武東上線が人身事故の影響で、ダイヤが大幅に乱れていたため乗れませんでした。え。おしまい?ううん。どうしようかなと思って、駅のまわりブラブラしてたらね。埼玉の母っていう女の人がいたの。その人に状況を説明したら、わたしは魔法使いよって言うわけよ。ま、昼間っから缶ビール持ってたから、あんまり当てになんないんだけどね。でもその人が、エイッてやるとね。馬車が出たの。深谷ねぎの。深谷ねぎ?かぼちゃじゃないの?かぼちゃじゃないの。で、その馬車に乗って、無事世田谷まで行って、お坊ちゃまと結ばれました。おしまい。なんだよ、その話―。おまえ、わけのわからん話したんなや、おまえ。リク。滋賀県にもあるで。もう、いい。もう、いい。これ、おもろい話や。これ聴いておもろかったら、滋賀県帰ろ。これは、昔、昔の話。昔、昔。滋賀県に、おじいさんとおばあさんが住んでました。おじいさんとおばあさん。おもしろそう。そやろ。おじいさんは比叡山延暦寺に座禅を組みに。おばあさんは琵琶湖に洗濯に行きました。おばあさんが琵琶湖で洗濯をしていると、果物の大きなビワが、どんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。これを取り上げようとすると、途中でブラックバスが食べました。え。おわり?つづきは、動画で。三遊亭わん丈動画一覧はこちらから

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三遊亭らっ好「やかん」

あれ知ってますか?知ってるよ。これ知ってますか?もちろん知ってる。なんて言うんで、何でも知ってる、こういう方は周りの人に自分のことを先生と呼ばして喜んでるようでございますが、この先生、字で書きますと言うと先に生まれたと書いて先生と呼ばせます。読みようによっちゃ、先ず生きてる。私が好きなのが先に生えたなんてのがありますけども、何だかよくわからない。こういうところに出てくる先生というのは先ず生きてるという手合いの方が多いようでございまして。こんにちは、先生、こんにちは。誰かと思えば愚者ではないか、久しぶりだな愚者。そこへ上がれ愚者。何しに来た愚者。お茶をお上がり愚者。何だ愚者。ぐしゃぐしゃ踏んづけられてられてるようですね。いやいや先生、今日いいあんべーのお天気ですね。何?今日いいあんべーのお天気ですね。お前、言葉というのは正しく使わなくちゃいけないよ。いいあんべーという奴があるか。それを言うなら、良い塩梅のお天気、とこう言わなくちゃいけないな。そうですか、今日良い塩梅のお天気ですね。いつから気象庁に勤めておる。別に勤めちゃいませんが、今日の今のところは良い塩梅のお天気とこう言ってるんですよ。そうか、だったらそう言わなくちゃいけないな。そうですか。どこか行ってたのか?ええ、あんまし天気がいいもんですからね、浅草の観音様行ってました。何?浅草の観音様。何だそれは。先生知らねえんすか?浅草行くってーと、大きな雷門てのあるでしょ?中入るってーと仲見世ですよ。両側にたーっと店が並んでて面白いでしょ?正面にあるお堂、これが浅草の観音様。愚者の前だがあれは観音様ではない。金毘羅様だったんですか?そうじゃろ。あれは仮名で書くってーと鍬を持ってんだな。浅草金龍山浅草寺に安置し奉るところの聖観音菩薩ってんだ、わかったか愚者。わかりました。人は出てたのか?ええ、出たの出ねーのってね。出たのか出ないのかどっちだ。それは出てましたね。だったらば、出たの出たのと言いなさい。もう一遍聞くぞ。人は出てたのか。はい、出たの出たの。何だこれは。いやいや、こうなっちゃうんですよ。たくさん人が出てたって思ってね。猫も杓子も出てましたよ。お前、猫は足があるから出ることはないよ。杓子はお前、どうやって出る。よく言うじゃないですか、大変人の出てることを猫も杓子もって。それを言うならめこもせきしもだな。めこというから女子、せきしというから赤子。めこもせきしも老若男女押し鍋で雑踏したりと、こう言わなくちゃいけないよ。つづきは、動画で。三遊亭らっ好動画一覧はこちらから

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桂 鷹治「のめる」

なくて七癖あって四十八癖なんていうことを申しまして、俺は癖なんぞはねえよって方でも、よく探してみると七つぐらいは癖があるんだそうでございます。ただ、人が見ていてあんまり良い癖というのはないようでございましてね。よくある癖というのは、鼻の中へ指を突っ込みましてね、何かを掘り当てようという。フロンティア精神豊かな方がいらっしゃいますけれども。ゴールドラッシュでございますが。ただ掘り当てるだけじゃございません。しげしげと観察をいたしまして、自分の健康状態のチェック。それから徐に指の先で丸め始めまして、ともするとどっか飛ばしたりなんかするという。これはあまり良い癖じゃございませんけれども。爪を噛む方というのもいらっしゃいます。これは指は決まっておりませんでね。親指でございますとか、人差し指の爪なんてのを噛む。あんまり足の爪を噛むという方はいらっしゃらないようでございますがね。喫茶店かなんかで二人差し向かいでお茶を飲んでおります。いきなり靴を脱いで靴下を脱いで足の爪を噛み始めるという、こういう人とは付き合いを考えた方がいいんじゃないかなと思うわけでございますが。今は少なくなりましたけれども、畳の毛羽を毟るなんて方ってのも昔はよくいたんだそうでございますけれども。あの、御免くださいまし。こんにちは。ああ、あなたですか。どうぞ。すいません。早く来ないといけないとは思っていたんでございますけれども。その…敷居がかぼいというやつで、なかなかちょいとこう…こちらにお邪魔することが出来なかったんでござい…いや、お返しする物は必ずお返しいたしま…えぇ。当てがありますので、必ずお返しはいたしま…えぇ、必ずお返しをいたしま…あの、来月末までお待ちいただきたいんで…えぇ、来月末になりましたら…必ず来月末にお返しできると思いま…えぇ。来月末には必ずお返しいたしますんで、それまで…ひとつ…お待ちの…ほどを。婆さん、この人だこの人。最近うちの畳の傷みが激しいと思ったらね、みんなこの人が毟ってた。ちょっとあなた困るんですよ。困るってんですよ。お困りなのは重々承知。いやそのね、畳の毛羽を毟られると困るんですよ。一昨日表替えしたばかしなんですから。え、一昨日表替えを?どうりで今日のは骨が折れる。そんなにまでして毟らなくていいんですけれども。こういったところが我々の材料になるわけでございますけれども。つづきは、動画で。三桂鷹治動画一覧はこちらから

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桂翔丸「悋気の幽霊」

焼き餅は遠火に焼けよ焼く人の、胸も焦がさず味わいもよし、なんてなことを申しまして。焼き餅というのはあんまり焼かない方がいいようでございますけれども。この話に出てまいります女将さんというのが、大変な焼き餅焼きでございましてね。魚は焼かなくても、焼き餅を焼かない日はないというぐらいの大変な焼き餅焼きでございまして。旦那様もほとほと困ってるわけですけれども。この女将さんがある時、ちょっとした風邪が元で床に臥せっておりまして。ごほごほ。お前さん、あたしゃもう駄目だよ。何を言ってるんだ、おいち。ただの風邪じゃないか。ほらほら、先生がね、煎じ薬置いてった。あたしが煎じてあげたからさ、これお飲み。自分のことは自分が一番よくわかるんだ。あたしゃもう長くない。そんなこと言っちゃいけないよ。病は気からってんですから。いいから早く薬をお飲みってんですよ。もしあたしが死んだら、お前さんには、後添いって話になるだろうね。おい、死んだらなんてことを言っちゃいけない。いいから、この薬を早くお飲みってんですよ。まあこれだけの大きなお棚だ。女将さんがいないと回らないのはよくわかる。だけどね、あたしゃお前さんが後添いをもらうということが、どうしても許せないんだ。いいかい、お前さん。もしあたしが死んでも、後添いなんぞおもらいじゃない。わかったわかった。後添いなんぞもらわないからね。いいから早いとここの薬をお飲みってんですよ。いいかい?もしお前さんが後添いをもらったら、あたしゃ幽霊になって化けて出るからね。お前さんが後添いをもらったら、あたしゃ絶対に幽霊になって化けて出るからね。わかったわかった。後添いなんぞもらわないからね。いいから早いとここの薬を早くお飲みってんですよ。何だってそんな薬飲ませたがるんだろうね。わかりました、いただきますよ。飲めばいいんでしょ、飲めば。飲んだよ。これでいいのかい?お、飲んだかい?ああそうか、全部飲んだかい?一滴も残さずに飲んだか?ああそうかそうか。そしたらな、あとはもう寝な。いいから、起きてちゃ体に障るから寝なってんですよ。いいかい?起きちゃいけないよ。絶対に起きちゃいけないよ。もう二度と起きるんじゃないよ。何だいお前さん。寝ればいいんでしょ、寝れば。お前さん、さっきの約束破ったら承知しないからね。お前さんが後添いをもらったら、あたしゃ絶対に幽霊になって化けて出るからね。ってんで、まあどういうわけかわかりませんけれども、この女将さん、その晩のうちにころっと亡くなってしまうわけでございまして。旦那様は野辺の送りを済ませるわけでございますが。あれ?あれ?ここ一体どこなんだい?あたしゃ、今の今までうちで布団で寝てたと思ったんだけれどもね。だけどここは何だか、薄暗くって、陰気で、ミッドナイトよせ太郎みたいなとこだねここはね。あれ?でも、さっきまで病気で苦しかった胸が苦しくない。身体のどこも痛くない。あはは、ひょっとして、あの人がくれた薬が効いて、あたし病気治ったのかしら。ちょいと、お前さん。あたし病気治ったみたいだよ。ちょいと、お前さん。どこ行ったの、ちょいとお前さん。お前さん。お前さーん。つづきは、動画で。桂翔丸動画一覧はこちらから

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古今亭今いち「思い出」

ごめんくださいまし。おおみやでございます。ごめんくださいまし。おおみやでございます。あら、おおみやさん。いらっしゃいませ。奥様、おはがき頂戴した時に、すぐ伺おうと思ったんですが、店の方が立て込んでおりまして、今日時間ができましたんで、伺いました。そうですか。玄関先ですと、お客様がいらっしゃいますと、戸を開けますのでどうぞ、中ほどのほうまで上がっていただきとうございます。さいですか。では、失礼をいたします。さぁさぁさぁ。どうぞ、こちらへ。お布団をおあてになって。失礼いたします。あら、すごい汗。お羽織、お脱ぎになったらいかがですか?すいません。じゃ、失礼して着物を脱がさせて、羽織を脱がせていただきますよ。おたたみしましょうか。え~、結構です。結構です。古着屋の羽織なんていうのは、もう、ほこり除けでございますんでな。帰りもすぐ、着て帰りますんで。で、今日はどのようなお品物をご処分されたいんで?え~、若いころ来ておりました、おめしがございます。けっこうですな。派手な方が需要がございますんで。あ。こちらですか?では、拝見をいたします。これは、また、意気な柄でございますね。こういう薄い色系が流行っておりまして。また、奥様、お手入れがよろしゅうございます。着物というのは、お手入れのものでございましてな。酷いものにかかりますと、もう、台無しでございまして。奥様、こちらのおめし5500円で頂戴をしたいのですが。まぁ。このおめしが?5500円でございますか?あたくしは、8000円には、なろうかと思いましたけど。奥様、こちら、6000円という品でございます。が、上前の膝のところ、ここでございます。二銭銅貨ばかりのシミがございます。これは染み抜きに出しても、抜けるものじゃぁございません。これがどうしても500円のキズとなります。このわずかなシミが、500でございますか。忘れもしません、このシミができたのは今から40年前。主が仕事から帰ってきて、お前に似合うと思って買ってきた。どうだこの反物。見ました。とっても意気な柄。これは、花柳界の方が着る着物でございます。私のはとっても似合いません。そんなことはない。お前はなかなか後姿が意気なんだ。役者だったら梅香にそっくりだ。大丈夫だから仕立ててごらん。つづきは、動画で。古今亭今いち動画一覧はこちらから

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